「漢方」は大昔に中国から伝わった医書を元に日本で独自に発展した医学で江戸時代にオランダからもたらされた西洋医学である「蘭方」に対して、日本独自の医療を「漢方」と呼んでいたようです。
なぜ漢方がいいのか?
「漢方」は病気の原因を探して、原因から治して辛い症状を除いていきます。ただ症状をその場だけ抑える対症療法ではありません。例えば冷たい物の食べ過ぎや飲みすぎで下痢をした時は胃腸を温めてくれる処方のお薬を差し上げます。
反対に風邪などで発熱して熱がこもって下痢した時はこもった熱をとってくれる処方のお薬を差し上げます。
この様に寒熱の他に虚実(過不足)、陰陽、五臓(五行)などを考え合わせて病気の原因が取り除かれるような処方を決めていきます。病気の原因を取り除くことで人の体は自ら元気を取り戻すことができます。
本来、人には体の健康を維持する力は備わっているので少し手助けしてあげると健康に戻ります。その少しの手助けをするのが「漢方」だと思います。
漢方処方に使われる生薬にはそれぞれ味の働きと性質があります。その生薬の特徴を生かした絶妙な処方が数多く残されていて、それを日本人は上手く利用して来ました。環境や栄養状態が良くなった今でも人の体に大きな変化はありません。科学技術の発展で素晴らしい検査機器が作られていますが、人の体は不思議なもので科学では解明できない部分があります。
そんな目に見えない五臓の働きや気血のバランスを整えてくれるのが日本の「漢方」で、これから役に立つと思います。